事業再生の現場から

税理士事務所の功罪…②

前回の続きを…

A社長が創業後間もなく知人の伝手を得て、お付き合いを始めた税理士事務所のBさん(所員)ですが、長年A社長とA社を支えて来たとの自信と自負に、取引先の金融機関はヤキモキしているようです。

と言うよりか、A社長とBさんの交友関係と言うか交わりはどうでも良いのですが、Bさんを雇うA社を顧問先として指導する立場にある税理士事務所に対する不信・不満、疑念…です。

前回「誤謬(ごびゅう)」という微妙な表現を使いましたが、私の見る限り「誤謬」で済まされる問題では無いと金融機関は判断している節があります。

そういった「痕跡」が企業の決算書には残ってしまうものですが、A社のそれは「さもありなん」と私が思うくらいハッキリとした痕跡が決算書に残ってしまっています。

それを「誤謬」で済まされてしまうと…

結局決算書への疑念はA社への不信に繋がり、さらには、そういう決算書作りに長年携わって来た顧問税理士(事務所)への不満が膨らんで来る事になります。

 

「赤字決算を出すと銀行がカネを貸してくれなくなるから…」と、長年決算上の「調整」を続けて来たのかどうかは知りませんし、そういう決算を経営者が望んだとしても、誰が主導したのか分かりませんが、結果としてA社は決算上の姿と現実の「実態」とが大きく乖離してしまっています。

仮に前述のような理由から経営者が黒字決算を望んだとしても、簡単に「数字を調整すれば良い」という類の話では無いのですが、どうもAB両氏ともその辺りのピントがズレてるような気がして…

 

前回「税理士・税理士事務所はGPSのようなモノ」と書きましたが、古い言い方ながらカッコよく言えば「羅針盤」とでも置き直しておきますか。

闇夜や島影も見えない大海原で、航海の向きを正しく保つには、どうしても欠かせない便利グッズです。

大したトラブルも無く趣味を共にしながら良好な関係を築いた40年は立派だとしても、結果、事業や経営者の生活が脅かされる場面に導いてしまった事は、功罪の「罪」に当たる部分かと思います。

問題は(何回も言いますが)事務所のボスの顔が見えない事ですが…

二代目のセンセイは何を考えているのでしょう?

(たぶんこの調子ではA社みたいなクライアントがまだ顧問先にあるだろうに…)

 

税理士事務所にも「当たり外れがある」とは聞きますが、ここまでの例はちょっとあまり経験した事が…(笑)



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