事業再生の現場から

金融団は融資延長にNOの判断

お早うございます。

本日から弊社も「営業再開」です。

お盆休み中にも、台風7号関連の被害報道等、気になるニュースが続きましたが、8/14には標題に関するニュースが流れました。

BM(ビックモーター社の事、以前はBM=ビーエムというとドイツのBMW車を指していましたが、今や渦中のビックモーター社を指す事が多いんですね(*_*; )社が、取引金融団に依頼していたという90億円の融資継続依頼が金融団(三井住友・三菱UFJ・みずほ・広島銀行)によって拒否され、その融資は「返済する」という事で着地した事に関連する報道です。

BM社は内部告発で「損害保険金の不正請求」が組織的に行われて来た事が暴露され、前社長・副社長が引責辞任する事態にまで騒ぎが続いています。

これだけ世間を騒がせているBM社なので「さぞ株価にも悪影響があるんだろうな」なんて思っていたら、なんとBM社は株式を上場していないんですね。

いわゆる「非上場企業」なんです。

なるほど…オーナーの意向が上意下達し易い組織でしょうし、オーナー家以外の株主チェックが入る余地が無い訳ですから、「経営の自由度」は高い訳です。

 

ところが株式市場からの監視や大口株主の意向を気にしないで済むBM社でも「無敵」かと言うと、案外そうでもありません。

一番怖いのは「消費者」ですし、その次に怖いのは「取引金融機関」だと思います。

消費者が怖いのは無論、お客様=販売先になる可能性がある購入予定層が一斉に同社から離反すると、売上の目途が立たず「赤字」が目前に迫って来る事になるからです。

それから「中古車販売業」で怖いのは「在庫の減損処理」です。

中古車販売業者は、通常顧客セールス上一定割合の「在庫」を保持します。

この在庫が実は「曲者」で、売上が右肩上がりの時は気にならないのですが、売上不振が続き右肩が下がって来ると、会社経営を左右するする「厄介者」になり兼ねません。

BM社は「非上場企業」ながら、売上は年商5,800億円にも達するとの報道があります。

月商ベースで約500億円、全社で月商の0.5か月分の在庫があるとすると在庫は250億円、商品なので減価償却費は無視するとしても、完売までに時間を要すと、一般的に車は時間経過と共に商品価値が落ちるので、在庫価値が「毎日」落ちて行くのを眺めているしか無くなります。

売れた時には「仕入価格」を下回る金額で「損切りした」なんて話は、この業界では日常茶飯事なのです。

「在庫を持たないと売上が立たないし、持ちすぎると減損リスクが大きい」と言うのが中古車販売業界の特徴と言うか「宿命」みたいなモノなので、顧客離れが起きるような「事件」を起こしてしまうと、それは当該企業にとって「致命傷」になり兼ねない事態でもあると思います。

二番目に怖い金融機関については、次回に持ち越します(^_^;)



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