事業再生の現場から

金融団は融資延長にNOの判断②

昨日の続き…

BM社(ビックモーター社)は、決して「無敵」では無いという話の続きです。

同社にとって一番怖いのは「消費者離れ」と記しましたが、二番目に怖れているのは「取引金融機関」だと思います。

昨日のブログでは「期限到来となる90億円の融資延長要請に取引金融機関がNOを突きつけた」ニュースを紹介しましたが、そういった動きが他の金融機関に波及する恐れと云うか、可能性が高まっていると思います。

銀行等を含む大手企業は、10数年来「コンプライアンス重視」の営業政策を重視しています。

なので、今回のBM社のような「事件化」しそうな事案に絡む(どころか主導者の立場でしょうか)融資先として、そのまま取引関係を維持するのが難しいと思います。

融資期限が到来するまでは「様子見」でしょうけど、期限到来が近づくと、今回のメガバンクのように「期限が到来しますので予定通りご返済を。期限延長!?メイン行へ相談してください。当行分は期限返済という事でよろしくお願いします」となる事でしょう。

 

消費者が離反し顧客離れによって売上は激減、経費削減も間に合わず、在庫の減損も続くので、同社の財務は一気に悪化すると、私は見ています。

そうなるとコンプライアンス云々よりも、融資先の経営悪化を懸念する目線での回収圧力が増し、融資取引の中下位行からBM社離れが加速するかも知れません。

現在の手元資金は数百億円あるとの報道もありますが、取引金融機関が一斉に回収に動き出すような事があれば、資金繰り破綻が現実のモノに…そうなる前に会社側も「再生」目線での経営判断を迫られるのかも…

何と言っても1年間に5,800億円も売る事業者です。

やった事は非難される事であっても、会社周辺で生計を立てている関係者も多いと思います。

このまま市場から退場させるよりは、何とか皆が納得できる方法での「機会」を同社に与える事はできないんでしょうか(^_^;)



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