事業再生の現場から

金利のある世界に戻るという事

お早うございます。

今年に入ってから東京株式市場の活況が続き、日経平均株価が連日高値を更新、バブル期後の高値戻しが鮮明になって来ました。

円安水準が続きドル建て投資商品に比べて「割安感」が明らかな日本への投資嗜好が、Xmas休暇明けの外国人投資家中に広まっているとか、「持たざるリスク」を感じ始めた国内機関投資家が買い出動し始まったとか、憶測記事は様々ありますが、株価は経済の先行指数とも言いますから、株高は国内に暮らす者にとってはプラスの面に働くことが多いのだろうと私は思います。

また一昨年来続く、食料品やエネルギー価格の上昇によって、労働者の賃金引上げも春闘を前に、各組合・企業から具体的な引き上げ幅が明らかになって来たように、具体性を伴って浸透しつつあります。

 

こういう動きを受けて、ごく近い将来、国内でおカネが動くときに掛かる「金利」が引き上げられる可能性が出て来ました。

無論、直ちに「金利引き上げ」実施とはならないと思いますが、市中に出回る通貨量の調整(金融の引き締め)を通じて、徐々に長短金利は上昇して行くものと見ています。

バブル期の後始末から長くデフレ状態にあった日本経済が再びインフレとなり、インフレを鎮静化するために通貨量や市中金利調整によって、経済を抑制したり刺激したりできるようになるのです。

 

バブル崩壊直後、平成2年10月に長期プライムレート(最優遇貸出金利)は、8.900%の水準にありました。

最優遇金利でしたので、相手先の信用度合いに合わせて、この基準金利に+0.50%とか+1.00%をオンして融資していた事を憶えています。

不動産・株式等へ流入した資金を回収する事で、急激に膨張した資産価値を落ち着かせた効果があった反面、金融引き締め策が、その後の長く続くデフレ経済への入り口となったきっかけであった事は否めません。

「金利のある世界に戻る」という事は、預金金利が着いて「1年物定期預金の金利で温泉旅行に行けた!」等の嬉しい反響もある反面、借入金額の多い企業にとっては、非常に厳しい事業環境に強制的に連れて行かれる行為でもあります。

現在の国内金融市場、特に短期市場は「超緩和政策」を踏襲していますので、そこそこの業績を収めている中小企業であれば、短期プライムレート連動で借入している5年以内の借入金利は0.80%~2.00%程度では無いでしょうか?

これが引き上げになった後の自社の財務・資金繰りを早めに検討、対策を考えておく必要がある、そういう時期を迎えたような気がします。



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