事業再生の現場から

まさか、またかの三菱自工

昨日のブログで「日本人の連帯意識」について、“美しいもの”と書いたのですが、こういうモノは困ります。

誰がどういう経緯で指示・命令したのか分からない(会社が調査中ということで発表しない)ようですが、組織的な「隠蔽」があったと思われます。

三菱自動車工業による「燃費ねつ造」事件が、表沙汰になりました。

同社が生産する軽自動車の一部車種の「燃費表示」が、実測値と違っていたそうです。

 

昨日会見した三菱自工の社長等経営幹部にとっては、まさに青天の霹靂(へきれき)であったと、そう述べているようでしたが、事実をひた隠してきた一部社員にとっては「来るべき日が来てしまった」そんな気持ちなのではないでしょうか?

こういった「組織ぐるみの隠蔽体質」が問題にされたのは、同社では初めてではありません。

過去には「リコール隠し」や「タイヤの離脱事故」を巡って、三菱自工の組織ぐるみの隠蔽体質が白日の下に晒され、同社製品への信頼と同社に対する信用が大きく揺らいだことがありました。

確かタイヤ事故の時は死亡者も出て、株価も額面割近くまで行ったのだと思います。

そんな同社でしたが、三菱重工を始めとする三菱グループのバックアップもあって、優良製品の開発に努め、ようやく「再生」を果たしたような昨今だったと思います。

 

自動車生産は、多くの中小企業の部品提供に支えられています。

その仕組は、○○自動車工業というメーカーを頂点としたピラミッドに模されます。

生産のトップに君臨する組立メーカーがコケると、生産ピラミッドを支えている多くの中小企業の業績に大きな影響が及ぶことになります。

トップに不祥事等が起きると、その会社製の車が売れなくなり、生産台数そのものが減産される公算が高くなるからです。

今回の三菱自工問題は、三菱向けに部品提供をしている中小企業経営者にとっても「寝耳に水」でしょうから、今後の生産計画に変更があるものか、必死に情報収集している最中かと思います。

“軽挙妄動を慎む”という言葉がありますが、今回の隠蔽事件の渦中にある幹部には「想像力」が少し欠けていたのかも知れませんね。

 

 

 

 



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