事業再生の現場から

令和のコメ騒動も一服か

昨年から続く「コメの高値」ですが、政府の備蓄米放出方法の変更もあって、来6月くらいから「低価格米」が消費者に届く見込みが出て来たようです。

今まで政府の備蓄米売り出しは「競争入札」方式を採っていた関係で、市場価格が反映されやすい落札価格になる事が期待される一方、市場価格が高値であれば落札価格も高価格となり、一般消費者が手に取る頃には高値落札価格に流通経費や業者利益が上積みされ、なかなか市場価格が下がらないデメリットがあった訳です。

今回の備蓄米放出は、政府が払い下げ価格と業者を選定したうえで実施する「随意契約」が採用されます。

競争入札では無いため、落札競争で価格が上昇するというデメリットが無いにしても、「参加(契約)できる業者の選定」については、「透明性」が一層求められる事になります。

流通大手のスーパーや個別名で言うと、ドン・キホーテやアイリスオーヤマ等、対消費者に精米販売を行っている大手企業も「随意契約」の相手として手を挙げているとも報道されていました。

既に7社(グループ)程度が手を挙げているらしいのですが、政府は「小売価格が2,160円程度に納まるよう」売り渡し価格を設定するようです。

現状で銘柄米等が5,000円に迫る価格で販売される一方で、その半値以下で口に入る備蓄米が売り出されるとなると、流通網の末端に位置する小売店ではどんな購買行動が起きるのでしょうか??

お金持ちは銘柄米を買い、庶民は備蓄米を購入するとなるのでしょうか?

まぁいずれにしても、選択権は我々消費者にある訳なので、選択肢があるって言うのは良い事だと思います。

今までは「誰が」今回の事態を引き起こしたのか?分からないままですが、コメ流通網を牛耳っている業者の采配で「流通価格」が調整され、結果として「市場マインド」も「消費者マインド」も操作されていた感がある気がします。

今後はコメの市場価格が下がって来ると「在庫」の評価損問題が発生しかねず、早めに在庫を取り崩して販売してしまおうという業者が続出すれば、相当コメの価格も落ち着いて来ると思いますが…

 

安いコメが消費者の手に回る事によって「コメ不足」の不安感が払しょくされ市場価格も落ち着いてくれば、今回の「随意契約」への変更が、政治的には「大当たり」だった事になろうかと思います。

農政に明るい石破総理からの指示のようですが、農水相更迭後、速やかに行動を起こした小泉氏への求心力も高まりそうです。

さて、参議院選挙前にコメ価格は下がって行くのか? 

関係者は固唾をのんで見守っている事でしょう。

 

 



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