事業再生の現場から

安永跳び

良く「人の三井、組織の三菱」という言い方をします。

三井物産を中心とする旧三井財閥系のグループ企業、三菱商事を中心とする旧三菱財閥系グループ企業を表すひとつの指標とでも言うべきでしょうか、とにかく三井(物産)系には「ヒト」を大切にする文化が根付いていると言われます。

その三井物産で社長交代の人事がプレスリリースされました。

安永執行役員が、32人跳びで4月1日から三井物産の社長に就任するとのこと。

安永新社長は、現在同社の取締役でもない執行役で、年齢も54歳だそうです。

しかも上席者32人を抜いての社長就任という、思い切った人事。

日本企業のトップ人事も、いよいよ欧米並みになって来た感があります。

 

企業トップの仰天人事では、松下電器産業のトップを務めた山下俊彦元社長による「山下跳び」を思い出します。

経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏による「引き」で、末席取締役から20数人を抜き去っての社長就任で、当時は経済界ならず世間の耳目を集めた人事だったと思います。

時代が必要としたんでしょうかね…

 

資源に強い三井物産も、世界的な景気低迷で、収益力は漸減しているようです。

若き社長へのバトンタッチを機に「反撃体制」が構築できるのか、まずは市場がトップ人事をどう評価するのか、株価に注目したいと思います。

 



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