事業再生の現場から

地銀は生き残れるか㉒

お早うございます。

先週末から今日まで、この時期にしては珍しく雨天が続きますが、南から湿った暖かい空気が入ったせいで、昨日今日は割と気温が高く湿気があるため、風邪やインフルエンザ等に苦しんでいる方からすると「恵みの雨」的なお天気模様だったのかも知れません。

私は地元の神社で「新嘗祭」があった関係で何処にも出られず、このお休みは土曜日・お仕事、日曜日・公用(でもないか)と、いずれもインドアで過ごしていました。

 

上場地銀の中間決算が出揃ろったようです。

金融緩和が「超」の付く次元で続く中、中小企業への貸出で本業利益を稼ぐビジネスモデルの銀行は、貸出金利水準の引き下げが続き、相変わらず収益が低下しています。

この現象はなにも「地方銀行」に限った事では無くて、全国に支店網を持つメガバンクや地銀より経営規模が小さい信用金庫・信用組合でも、同じような現象に苦しんでいる構図に変わりはありません。

メガバンクは国際業務に力を入れ、海外企業や事業への融資業務に活路を見出す動きを見せる一方、社内合理化にも力を注ぎ、IT活用による業務見直しで積極的に人員削減を進めています。

今のところ「新規採用数抑制」による総人件費の削減が主眼のようですが、いずれ「人件費の高い」管理職ゾーンにも「リストラ対象の目」が入って来る事でしょう。

そういった近未来を予想して、銀行業界から多くの若者が「脱出」しているそうです。

 

話が少し離れましたが(某紙によると)、上場地方銀行の中間決算をまとめると「不良債権処理」費用が急増しているようです。

それでも全地銀を合わせても、2019年9月中間期で処理された不良債権額は1,000億円程度ですから、その昔に比べたら「大した」額ではありません。

政府統計や株式市場の動きと逆行するかのような銀行の不良債権処理額拡大ですが、もしかすると「体力のある今のうちに」的な会計処理の前倒しなのかも知れません。

リスケをしたままなかなか業績改善の兆候が見られない企業などを「格下げ」する事で、早めに貸倒引当金を手当し、取引先の経営破綻に備える動きが加速してもおかしくない状況が地銀を覆っています。

監督官庁による「合従連衡」推進の動きです。

合従連衡交渉を優位に進めるにも、不良債権率等の財務上の瑕疵(きず)は少ない方が良い訳です。

 

格付を下げられた、例えば「要注意先」から「破綻懸念先」に格付がランクダウンされた企業は、銀行の対応が「激変」する筈です。

銀行にとっては、自らの「嫁入り」「婿入り」準備であっても、取引先の中小・零細企業にとっては、死命を制され兼ねない行為になるかも知れません。

取引銀行の選定も、中小企業の経営者にとっては、とても大切な事です。

 

 

 



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