事業再生の現場から

変化はチャンス!実践編

緊急事態宣言明けを渇望しながら「アフターコロナ」「with コロナ」について、自分はどう判断してどんな行動をとるべきか、この2~3か月の間、経営者には悩みに悩んだ方が多かろうと思います。

昨日、地元で長いお付き合いをいただいていて、住宅関連(木材加工)の仕事をされている社長さんと話をする機会がありましたので、それについて書いてみようと思います。

この会社B社は、元々製材業を生業として来ました。

栃木県は県土の半分以上が森林であり、首都圏へ向けた木材生産地として古くから林業が盛んです。

県産材や国内外の木材(原木)を買付け、それをユーザー用途に合わせて製材する製材所(製材業者)も県内各地に点在していました。

しかし国内製材所は、住宅を構成する構造材は安い外国産木材に席巻され、また雨戸や外壁・内装材等が安価で品質の高い金属・プラスチック材に様変わりして行った事で、国産材木の需要が年々減少して行くという経過を辿り、多くは廃業もしくは転業(不動産賃貸管理業等へ)して行ったというツライ経験をしています。

生活様式の近代化や建造物の工業化に伴い「需要が蒸発」、仕事が無くなってしまった体験をしている訳です。

 

そんなB社長が、今回のコロナ禍を経て今後(自社の)展開を披露してくださいました。

大まかに言うと、次の三点を強調していました。

  1. 人材が市場に出る機会に優秀な人材を確保
  2. 工場内の機械化を大胆に進捗
  3. 新規分野への積極的な投資

 

普段からは想像もできないB社長の言葉に「いったいこの人はこの非常事態に何を考えているのか?」失礼ながら、”逆張り”大胆な言動に唖然としてしまいました。

社長は次のように考えているようです。

「変化はチャンス!!」

「木材業界は40年前の市場規模が凡そ6兆円、それが今は2兆円を割っている。実需は限りなくミニマムに近くこれ以上下がりようがない規模でこの数年推移している。そんな業界に他業界であぶれた人材がやって来るなんて千載一遇のチャンスだ」

「同じように構造不況業種である木材(加工)業を事業として残すためには、製品原価を下げ続けるしかない。コロナ対策で政府が大判振る舞いしてくれるなら、この機を活かして生産設備を刷新してコストを下げる者が勝つ」

「業界規模が小さいうえロッドも小さい特性を考えたら、ニッチで勝負すべき。今回の災禍で廃業したり撤退を考えている事業所があったら、M&Aでもなんでも積極的に投資すべきなんだ」

なるほどいちいち、ごもっとも

 

B社長がいつもより上記を力説するには背景もあるんです(笑)

コロナ関連の融資で数年ぶりに手元流動性預金が「潤沢」という背景が(^^;

資金繰りを心配せずに本業(事業)に専念できる機会を久々に喜んでいるB社長

積極的な経営判断に舵を切り、積年のうっ憤を晴らせるか…

2年後、3年後の決算が楽しみです。

 

 

 

 



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