事業再生の現場から

地銀は生き残れるか㉑

本屋さんで時間つぶしに立ち読みをすると、どうしても標題のような記事に吸い寄せられてしまいます。

「地銀」を「銀行員」或いは「金融マン」と読み替えても良いのですが、日銀の超金融緩和策、特にマイナス金利政策が導入されてからの「地銀の凋落」は“目を覆わんばかり”と言うか、その“対策は何も無いのか?”と思わざるを得ないほど、悪い決算・悪いニュースが続いています。

古くから言われているように、全国に105行もある「オーバーバンキング(銀行過剰」状態を、まず収束して適正水準までの行数に減じるべきだ、との考え方があります。

狭い地域に複数の銀行・金融機関が軒を連ねる状況は、全体的に見れば「無駄」が多いからです。

金融機関同士の「合従連衡」が有効だとされるのは、この考え方に沿ったモノで、銀行同士の経営統合・合併により、店舗・人員の「合理化」を進め「経費削減」を進める事で「収益」を確保し“生き残ろう”と考えるのは、至極当然の事だろうと思います。

営業地盤の近い隣県の地銀同士が合併したり、金融グループの傘下に入ったり、りそなHDの影響力の強い関西圏や福岡FGが強い北九州エリアで先行しているイメージがあります。

首都圏では横浜銀行を中核とする「コンコルディアFG」やお馴染み常陽銀行と足利銀行の「めぶきFG」が先行しましたが、横浜銀行と千葉銀行、武蔵野銀行等の動向にも視線が集まっているようです。

 

監督官庁や業界・各行上層部が行う「空中戦」や「綱引き」に関心がある訳ではありません。

お客さまと日々接しながら、自身のキャリアと家族の生計を「天秤にかけざるを得ない」人たちの事が気になるのです。

最近の銀行は、どこへ行っても「若手が辞め(退職し)まして…」と言う話しか聞こえて来ません(これは地銀だけで無くメガでも同じ境遇のようですが)。

話は割り引いて聞く必要もありますが、某銀などは「30歳までに新入行員の4割が辞める」と仰る支店幹部もいるほどです。

銀行を辞めても、金融サービスとITの融合という「壮大な実験」を行っている時代なので、金融機関経験者と言うだけで多くのIT企業が「転職=ウェルカム」で受け入れてくれるのだと、これも某銀行の人事担当者が嘆いていました。

言うまでも無く、銀行の資産は人材です。

まぁ大きな「信用」という看板はあっても、最終的に銀行の資産と言ったら「人」しかありません。

その「人」が、それも将来を託したい多くの若手が「金融」という船から「我先に…」こぼれ落ちている、自ら去っているのが現状だと聞きます。

果たして地銀は、銀行は大丈夫なのでしょうか…

 

 

 



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