事業再生の現場から

渦中のビックモーター、営業譲渡で再生か?

先週末、保険金等の不正請求等で揺れるビックモーター社(以下BM社)について、自分なりの考えを書いたのですが、今週に入って「M&A」専門にフォーカスした専用サイトで「経営不振に陥ったビックモーター社が、事業譲渡を視野に大手コンサル会社(デロイトトーマツ)に再生計画策定を依頼した」との記事が発信されました。

経営手法や同族経営ゆえの「闇」の部分があるにしても、年商5,800億円と言われる同社に雇用や業務で関連する人たちが少ない訳は無く、何とか「再生」する方向にならないかなと思っていたのですが、やはり同じような事を考えている人は居た訳です。

デロイトトーマツは子会社でFA(ファイナンシャルアドバイザー)契約も締結したようだ、と報道されていますので、事業(営業)譲渡先の選定も任されるのだと思います。

 

ここで言う事業譲渡とは、文字通り、企業が行っている事業を第三者に譲り渡す(売却する)事を言います。

大企業では複数の事業部門を持っている事が多く、事業の線引きが比較的明確になっていますので、こういう方法が採れる訳です。

BM社に当てはめると、「中古車販売部門」「修理部門」「保険販売等のサービス部門」には、事業を分ける事が可能だと思います。

事業を分けると云うのは、それぞれの部門で売上・損益が明確に分別できるという意味ですが。

今回の不祥事発覚で、BM社は社会的な信用を失い、取引金融機関からの信用も失ってしまいました。

今のBM社が経営するのでは、お客様はBM社に自分の車を売らないでしょうし、無論BM社から車を購入する事も控えるでしょう。

修理を依頼する相手としても、BM社にお願いするなら他社にしたいと考えるのが普通でしょうし、取扱車両数が減少すれば保険商品の販売量も減少するので、やはり現状の体制でBM社が生き残って行こうとするには、相当厳しいイバラの道が待っている訳です。

が、事業そのものには魅力ある(店舗網や熟練社員)経営資源もあり、オーナーがそれなりの人であれば、取引金融機関も応援できるし、消費者も新生BM社には注目すると思われます。

 

誰が買収するのかまではまだ分かりませんが、水面下では諸々の綱引きが行われている事でしょう。

ビックモーター問題は、次のステージに進みそうです。



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