事業再生の現場から

ゾンビ企業の整理に方向転換か…!?

弊社は、月一回行う月例ミーティングの中で、担当者が取引先の動向や金融機関担当者から見聞きした「業界情報」などを共有化するようにしています。

今月私が聞いていて気になったのは、「金融機関の担当者の話を聞いていると、“(中小企業金融)円滑化法”時代からリスケ支援を続けていても、一向に業績の回復が見られないような中小企業の融資期限到来に対して、従来のように“簡単には”期限延長を認めない金融機関が増えて来ている」「銀行によっては、敢えて延長を認めず、むしろ廃業を勧めそれを支援するような動きをしている所もある」と言う報告でした。

帝国データが発行するTDBレポートでお気づきになっている方もいるかも知れませんが、この半年くらい負債総額が1億円前後あるいは1億円にも届かないような小型倒産が増えていると、私も実感しています。

金融支援の下であっても経営改善が遅々として進まず、でも市場から退場する事も無く、金融機関から与えられた有利な資金環境を享受しながら、公正な経済活動・取引を阻害しているとされる「ゾンビ企業」

いよいよ金融業界から「ゾンビ企業」の排斥が始まるのか、注目せざるを得ません。

 

もう一点、事例として報告があったのが…

コンプライアンス違反を犯した企業に対する金融機関の対応です。

詳細な事例は申し上げる事はできませんが、「コンプラ違反」を犯した中小企業の融資金数千万円の「期限の利益」を喪失させ、直ちに債権回収専門会社(サービサー)に融資金を売却した銀行(準メイン)があったそうです。

弊社の担当としては、数千万円の裸融資(信用扱)を、いとも簡単に処理して損失計上の道を選択した銀行の決断にビックリしたそうですが、それ以上に驚いたのはメイン行の態度だったそうです。

「コンプラ違反だったとしても、あまりに性急で酷くないですか?」とメイン行担当者に同調を求めたところ、「仕方ないですね」との一言で全く驚く事もしなかったそうで、担当者としてはメイン行の態度の方に寧ろ驚いたそうです。(因みに第三位行以下の銀行さんたちは、準メインの対応を非難していたそうですが)

 

金融庁主導で、コンプラ違反に対する銀行の対応は厳しくなっているようです。

スルガ銀行を始めとする金融業界の不祥事が続き、金融庁も黙って見ていることができないのでしょうね。

実態経済の成長にブレーキが掛かるのと金融の締め付けが同時に進むようだと、中小企業にはマイナス面の効果として、効いて来ます。

上記のような動きが続くようだと、少し心配です…

 



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