事業再生の現場から

事業性評価チーム奮戦す!?

先日、取引先の業績報告(銀行側のモニタリング)に随行し、月次決算(試算表等)をベースに順調に推移する今期業績を説明する機会がありました。

R社は(当社ではありませんが)経営改善計画を策定し、自助努力で経営改善を進め、収益力を高めている途上にあります。

売上は前年対比10%程度増えていますので、今期は10億円を超えそうな勢いです。

経営計画対比の売上・損益も、基準となる25%(第一四半期)を大きく上回り、売上は30%近く、営業利益に至っては既に50%に手が届く水準で推移しています。

取引行の支店長さんからも「計画を作っていただき、それを上回る水準で業績が推移しています。当行も実に良いタイミングで取引させていただいて、本当に感謝しているんです」とお褒めの言葉を頂戴しました。

前期、それまでのメイン行に粗相があった事もあり、R社は取引行のラインナップ見直しを行いました。

その中で、どちらかと言うと残高下位にあった現在のメイン行に旧メイン行融資を「肩代わり」して貰う事になり、現在の金融団構成となった経緯があります。

 

「今度弊行の“事業性評価チーム”と社長さんの面談をお願いしたいのですが、お願いできますでしょうか?」と支店長。

「何ですか? その事業性評価チームって仰るのは?」とR社長。

聞けば、同行審査部の中に「事業性評価」を一手に引き受ける組織を作り、「定量評価」に、より精緻な「定性評価」を加味する事で、数値だけでは捉えきれない個々の「中小企業の強み」を融資審査に役立てようとする銀行さんの試みなのだそうです。

「いやぁ、うち(の銀行)は三人体制で全行の主要取引先を回るってんで、相当物理的に大変なようですけど、頑張ってますよ、奮闘中です!!」と支店長。

 

R社のメイン行さんだけでなく、今どきはどの銀行も「事業性評価」に力を入れているようなので、どこでもやっているのかも知れません。

資本回転率や流動比率・自己資本比率など、企業の収益性や安全性を図る財務指標のみならず、事業者の特性や強みなど「数字に現れ難い」特長を融資審査に取り込んで貰えるなら、中小企業にとっては有り難い話です。

この銀行さん以外でも頑張っていらっしゃる「事業性チーム」メンバーの皆さんには、その趣旨を違えないよう「奮戦」していただきたいと、切に願うばかりです。

 

 

 

 



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