事業再生の現場から

コンプライアンス違反企業のその後…

昨日6/26は、「かぼちゃの馬車」問題で経営陣が退陣に追い込まれ、3,000円近くで推移していた株価が僅か300円台まで下げる結果となってしまったスルガ銀行の株主総会が行われた日です。

ネット記事では「株主からは怒号も聞かれ…」とか「(現執行部の方針は)聞く価値もない話…と途中退席する株主も…」とか、如何に株主の不満が溜まっていたか、その深刻な様子が伝わって来ました。

スルガ銀行を巡っては、経営体制の立て直しのため、他行との資本提携を含む事案が潜航して進んでいるそうですが、どの銀行が救済の手を差し伸べる事になるのか、しばらく注目して見ています。

同行で不正融資の温床になったのが「行き過ぎた成果主義」だとされていますが、その背景は何だったにせよ、「コンプライアンスを遵守できない企業は社会から抹殺される」と言われるに近い結果を突きつけられる事は間違いなさそうです。

古くは某乳製品メーカーの「賞味期限不正表示事件」があったり、食肉業界では「産地偽装事件」等がありましたが、これらを起こした企業は、いずれも社会・消費者の反感を買い、経営不振や経営破綻にまで追い込まれる事例が頻発したのです。

世間を敵に回すと「商売」はやり難いどころか、「続けられなくなる」と考えた方が間違いないようです。

 

ところで建築業界でも「レオパレス」や「大和ハウス工業」では、建築基準法を満たさない建造物を建築主に提供していた事が明るみに出て、その補償やコンプラ違反に対する社内処分等、問題解決には尚時間を要する事態となっています。

更には、こちらの方が会社にとってキビシイ話だと思いますが、宅建業者(不動産業)のTATERU(タテル)が西京銀行と組んだアパートローン等で、アパートオーナーとなる買い手側の融資資料を意図的に改ざん、不正に銀行から融資金を引き出したとして、宅建業法違反の疑いで監督官庁から処分を受けそうだという事案もあります。

TATERUに対して間もなく国土交通省から行政処分が出されるようですが、業界では「業務停止数か月」は最低でも下されるのではないかと言う声が出ているようです。

そうなると「業務停止」ですから、全ての業務を停止せざるをえません。

この間の売上はゼロでも、社員の給与を始めとする様々なコストが発生します。

TATERU側の代理人弁護士は国交省の「聴聞会」で、「仮に業務停止処分を受けたら会社は倒産する」と明言していると言います。

宅建業法そのものが「白か黒か」「100か0か」の世界(長く業界役員経験を持つ同業の先輩に聞くと、宅建業法は“性悪説”にたっているから…不動産屋なんてロクデモない連中だから、何かあったら取り締まりはビシッとしないと、という精神で作ってるからなぁ、と笑いますが…)、何か事が起きたら、業者なんか一溜りも無いのだそうです。

コンプライアンス違反が明るみに出ると、一部上場企業でも、たちまち「経営危機」に陥ります。

怖いですね( ;∀;)



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